血肉にする習慣⑦ 五十嵐大介「すなかけ」

2017/7/14 日曜日

 

五十嵐大介「すなかけ」を読んだ感想

 

主人公鎌沢ひとみは、

身体から砂が出る女性と

その恋人のイトーさんと出会い

一緒に暮らし始める。

主人公が二人を見て発したセリフが印象的だ。

「この人たちは

   脆くて壊れやすい

   薄いガラスの球だと思った。

   でも透き通っていて

   とても綺麗な、、、、。

   大切にしたい、、、、。」

 

二人のためにと家事を行う主人公は、次のように話す。

「なんでもないことが

   楽しくて嬉しかった。」

 

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「分かるよ、そういう気持ち」と私は思った。

 

自分は、なんて図太くて、自分勝手な人間なんだろうと思うことがよくある。

そしてとても頼りない。

他人を大切にする事はどういう事なんだろう。

私は一生かけても出来ないかもしれない。

そうな風に思うこともよくある。

 

他人が他人であることが分かれば分かるほど、相手と自分との距離が愛しくなるあの感覚。

そして、この距離ごと相手を愛したくなるこの感覚。私は、誰かとの関係をちゃんと大切に出来たことが一度でもあっただろうか?

 

どれもこれも「さよなら」で終わっているような気がするよ。

 

出会った人を思い出して愛せるような 

そんな作品を作りたいと思った。

 

拒絶ではなく祝福に向いて生きていたい。