血肉にする習慣① 五十嵐大介「魔女」第1集 を読んで

2019/7/6 土曜日

 

読んで思い浮かんだ言葉を

思うがままに書いてみた。

 

 

********************

 

 

幾何学的模様を孕む女性の身体

それはまるで星々を包む宇宙の姿

 

歴史の重なりは閉じられた本のページの様

 

欲望を孕んだ女の

満たされない欲望の矛先には

無念で死んだ亡者たち

 

第1抄 SPINDLE

 

世界の中心は私である

彼に愛されなかった私は

彼の土地の侵略者

 

彼の愛する者たちを奪ってしおう

私にひれ伏せて頂きましょう

 

そうして彼女は魔女になる

小さな小さな魔女となる

 

遠く離れた遊牧民族の野営地では

母の愛は少女に紡がれ

へその緒が切られた時から

少女は少女の糸を紡ぐ

そして、その糸で少女は世界を織ってゆくのだ

 

それは女の秘密の事柄

 

世界の渦の一辺と交わり

吸い込まれるように組み込まれる時

少女は誰かの伝達者

 

ずっと昔から流れてくる

風のささやきに耳を傾け

風は少女を誘ってゆく

 

聞こえない人

聞こえないふりをする人

その間を風と共にすり抜ける

 

そして約束の場所へ

 

小さな小さな魔女へ

「私たち人間には

   決して触れることのできない

   ものがある」

と伝えるために

 

屈辱の刃は他人に向けず
そっと地下へ投げ入れましょう

 

私はこの世界に包まれているのだという

安心感、開放感に目を向けて

 

失くしたものは埋められない

目の前にあるものを受け止めて

大切に紡いでいくのです

自分の糸で、自分の世界を

 

 

********************

 

P.S. 自分と目が合う瞬間を私は知っている