血肉にする習慣④ 五十嵐大介「ウムヴェルト」
2019/7/10 水曜日
五十嵐大介「ウムヴェルト」より
「鬼、来襲」
花の群れを見た時
挨拶をするようになったのは
この物語のおかげだったかもしれない
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ヒメオドリコソウの群れは
夜になると、みんなで踊る
そこへ食い散らかす
鬼がやってきて
ヒメオドリコソウたちは
抜刀し、鬼と戦う
結局は食べられてしまう
というような作り話を
ヒメオドリコソウを見ながら
女は話してみるのだが
近くで飼われている羊の毛には
小さな刀がいくつも絡まっていたりする
鬼は羊
羊を食べる人もまた鬼
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彼らの世界は
私の世界の一部であり
時に私の体内にある
